隣町の秣陵へ向けて送電線も設置し、何とか電力不足はしのげた。
さて―― 前々から話し合われていた「シャトルシップ」および「シャトルバス」について、 今回、ようやくまじめな(?)会議が行われることになった。
場所は東呉市庁舎。会議の内容は「シャトルシップにするかシャトルバスにするか」 秣陵町の町長も呼んである。 会議の議長は孫策、副議長は陸遜である。 「・・・でですね」 会議になると張り切る陸遜。今回もかなり張り切っているようだ。 「シャトルシップにするかシャトルバスにするか話し合う場所なんですここは!寝る場所ではありませんっ!」 机をバンと叩いて、目の前にあった茶をひっくり返した。(ここからはもうお約束のギャグ) ひっくり返したお茶がそのまま陸遜の方へかかってきて、尚且つお茶の皿(?)までが陸遜の頭に飛んできた。 「あづぃーっ!」 上半身茶まみれになった陸遜は、東呉市庁舎のシャワーを貸してもらうことになった。 さて、陸遜が一時退場したので副議長は臨時に周瑜となった 「シャトルシップにもシャトルバスにも一長一短があります。今、ここでどちらかにするか決めておきましょう!」 孫策が叫ぶ。野獣のように。
――30分後 ようやく広陵村の方から手が挙がった(太史慈) 「はい。シャトルシップは海路が荒れたら大変危険ですが、渋滞などがないためコチラのほうが良いと思います」 次に東呉市の孫権が手を挙げた。 「私たちはシャトルバスのほうが良いと思います。車両の故障さえ起こらなければ運行できるからです」 と、両方から別々の意見が出た。 こうなってはまとめるほうが大変だ。どちらを選べばよいのだろうか。 「えーっと、シャトルシップの場合、海路が荒れる心配はあるが、利便性に優れる・・・っと」 書記の魯粛がホワイトボードに書き込んでいく。 「対してシャトルバスの場合、車両が故障さえしなければ運行できる・・・っと」 キュッキュッとマジックの音がミーティングルームに響く。(なぜか会議室じゃなくてミーティングルーム) 「ですが、シャトルバスの場合渋滞に巻き込まれるのでは?」 広陵村の甘寧が鋭く突っ込む。 「・・・えーっと、シャトルバスを渋滞に巻き込まれない時間帯に走らせれば・・・」 東呉側が苦し紛れの弁論をする。(弁論大会か) 「ではシャトルシップに決定ですね」 と太史慈が勝手に決めてしまう。 「ハイ、シャトルシップで決定です。では、一時休憩の後具体的なことを話し合いましょう」 なぜか議長の座を勝手に奪ってしまった周瑜であった。
------一時休憩中------
「いつ運行させるか、などを決めなければいけません。船舶も買わなければいけませんし」 15分の休憩後、会議が再開される。 「まず、朝8時ごろと夜6時ごろに走らせると良いでしょう。ちょうどラッシュ時ですし」 そう呂蒙が提案すると、魯粛がホワイトボードに書き込んだ(AM8時とPM6時運行) 「商船とぶつからないように運行しないといけません。長江を上り下りする商船は朝夕に多いので・・・」 いつの間にか復帰した陸遜が提案する。 「船舶の運航は、東呉で水夫(かこ)でも雇えばよいでしょう。このあたりは港町なので、結構水夫がいると思いますし」 周瑜自ら提案し、周瑜自らうなずく。 「船舶の購入は・・・どうします?」 困ったように周瑜が言うと、東呉市長の孫権が立ち上がった。 「私の知り合いに『龍実』(りょうみ)というものがおります。この人は東呉港で商船会社をやっています」 「そうか!では孫権市長に任せよう」 周瑜が満面の笑みを浮かべてうなずく。 これで大まかなものは決まった。後は細かいダイヤなどである。 「本日はご苦労様でした。これで第二回(合同)会議を終わります」 ざわざわと玄関ホールがにぎわい、会議に参加した人たちが出て行く。 「何とか話がまとまってよかったですね」 周瑜が専属のリムジンに乗り込む。 「んー、後は長江が荒れないことを願うだけだな」 「長江の神様にお願いしないと」 アハハハハと乾いた笑いが車内に響いた。
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