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4.第一回会議
 

村議会からクレームがきて早1ヶ月。
1ヶ月もたってまだ対策もしていない村であったが―
ようやく先日、会議が行われた。

1週間前―
孫策がパソコンを触っていると、総務課からメールが届いた。
その内容は、「来週会議を行いたいと思います。ふるってご参加ください」という宴会の誘いみたいなメールだった。
このメールは各課に回っていたようで、村役場の職員総出で会議に参加することになった。
今回の会議は、総務課が主体で、村長はただ会議を聞いているだけとなる。

「・・・かといって、寝ていいというものではありませんよ、伯符」
「・・・んぁ?」
会議中に周瑜に揺り起こされた。
「だってよぉ、オレが喋るならまだしも、人の話を聞いてるってのは辛いもんだぜ?」
「そりゃ、私だっていつもあなたの話を聞いていますが、ちっとも眠くありません」
「そ、それは、お前の会議好きが影響してるんだろ?」
「・・・なんていいました?今」
「い、いや、別に何も。。。」
「はいはいはーい!そこのおふたり、現在会議中ですよ。ってか、会議も始まったばっかりですよー」
陸遜が遠くで指差しながら注意してくる。
「そ・れ・に、村長、会議が始まってからすぐ寝るのはやめてください。コーヒーでも飲んで眠気覚ましたらどうですか?」
べらべらと陸遜が注意してくる。こういうときだけ、陸遜はよく喋る。
「なぁ公瑾、何であいつは、会議のときだけあんな風にベラベラ喋るんだ?」
「私みたいに会議好きが影響してるんでしょうねっ」
「(嫌味言うなよ。。。)」
周瑜は一気に不機嫌になってしまった。

「さて、会議を続けましょうか。先月、村議会から『勝手な予算案は立てるな』とクレームが来ました」
初耳だった職員も多く、ざわざわと会議室内がざわめく。
「はいはいはーい静粛に静粛に。で、今から、都市開発について話し合いたいと思います」
会議に関しては、呂蒙より陸遜のほうが強い。呂蒙は横で黙々とコーヒーを飲んでいる(このときすでに5杯目)
「意見がある人は挙手してくださーい」
そういえば、あちらこちらから手が挙がる。
「んー、じゃぁ、都市開発課長」
おっとりしたペースで会議が進んでいく。今日中にこの会議は終わるだろうか。
「はい。私は、東呉とシャトルバスを運行したら良いと思います」
「ほぉ、シャトルバス」
ここで初めて呂蒙が喋った。面白い内容だったのだろう。
「ええ。この広陵村を東呉のベッドタウンとして開発させるのです」
「なーるほどぉ。それはいい!」
呂蒙が手を打って喜んだ。あまりにも喜びすぎて椅子がひっくり返り、頭を強打してしまった。
「課長〜、落ち着いてください」
陸遜に注意を受け、呂蒙はしばらく黙っていることにした。

そして、孫策がいきなり身を乗り出した。
「ウィーッと(謎)、オレはシャトルバスよりシャトルシップのほうがいいと思うな」
「シャトル湿布?」
周瑜が間髪いれず突っ込む。
「だー、違う違う。シップは船のシップだ。せっかくこの広陵村と東呉市は海を挟んでるんだから、
 船で運航させたらどうかと思ったんだ」
ほぉ、たまにはいいこと言いますねと周瑜が嫌味を吐く。
「シャトルシップ・・・なんかお金がかかりそうな事業(?)ですねぇ」
「まぁそれは仕方ない。だが、バスだと1時間弱かかるところを、船だと20分ぐらいでついてしまう」
確かに、道路を走った場合、わざわざ秣陵町を経由して行かなければならないため、1時間弱かかってしまう。
それが海経由だと、早ければ10分、遅くても30分でついてしまう。
ベッドタウンとして開発させるには最適の交通手段だろう。
「では、シャトルシップを東呉と広陵の間をピストン輸送するわけですね?」
「一応、オレの考えはそうなってる」
孫策は満足げにうなずいた。陸遜は少し考え込んで、周瑜を部屋の隅っこに呼び出した。
「周瑜さん周瑜さん、・・・村議会のほうへ交渉に行っていただけませんか?」
思いもよらぬ発言に、周瑜は思わず「えっ!」と大声を上げてしまった。
しーっ!静かに。村議会へ行くと言っても、こちらから予め電話はしておきます」
「そりゃ、当たり前のことでしょう。問題は、その先です」
「ボクから議長へは何とか言っておきます。その後、周瑜さんがきちんと説明しておきます」
「んじゃ、君が行けばいいじゃないか」
周瑜は少し膨れる。
「まぁまぁ。ここは秘書様の仕事。元総務課長のボクには、そんなことする資格すらありませんよ」
はははと陸遜は笑って取り繕ったが、目にはうっすら涙が浮かんでいた。
「ということで、よろしくお願いしますよ」
そういって、スタスタと陸遜は自分の席(会議での)に戻っていった。

「それでは、これにて会議を終了します」
「もう終わったのか。つまんねーの」
孫策が悪態をつきながら会議室を出る。
「会議が嫌いなのは誰でしたっけ〜?」
周瑜が横から待ってましたとばかりに擦り寄ってくる。
「だ、誰も嫌いだなんていってないぞ。ただ、人の話を聞くのが辛いというだけで・・・」
だーまらっしゃい!人の話を聞けない人は、会議に参加する資格なーしっ!
「お、公瑾、声がでかいぞ」
そうあーだこーだ言いながら、二人は会議室を後にしていった。
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