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1.序章
 

―――ここはとある村。
この村に新しく配属された村長がいる。
その名前は・・・孫策 伯符

かつては大都市の市長をやっていたのだが、わけアリで市長を弟に任せ、自らこの村にやってきた。
左隣には市長秘書をやっていた周瑜 公瑾
この村に赴任することになったと周瑜に言えば、「伯符のためならどこへでも行きます」とついてきた男(?)だ。
周瑜の隣には、前に市民課長をやっていた太史慈 子義。
この男も孫策がこの村に赴任することになったと言ったら「市長のためならどこへでも」と顔色変えず言った。
さらにその横には魯粛 子敬。コチラは周瑜に負けず劣らずの頭脳を持つ男だが、なぜか市庁舎に勤務していたときは、
書類伝達係長という寂しい役職を受け持っていた。
右隣には呂蒙 子明陸遜 伯言甘寧 興覇などなど、とにかく市庁舎に勤めていたもの全員を連れてきた。
今市庁舎にいるのは、近くからヘッドハンティングしたものや、孫権の友達(!?)などが務めているため心配は無い。

さて、村長となって村役場に行ったわけだが、やはり政令都市の市庁舎とは違う。
ふるくさいがどこか味のある建物で、孫策にとっては最高の役場だった。
村役場の中に一歩踏み入れてみると、中は普通の役場だ。
「ふむ、まぁまぁのところだな」
さっそくエレベーターで最上階の村長室へ行って見ると、ただの空室で、机も何も置かれていない。
「よし、今日の課題は『荷物運び』だ。まずはこの村長室にオレの机などを運びいれよう」
そう孫策が言うと、みんながいっせいに動き出した。玄関の前には引っ越しセンターの車が止まっており、
その車の数なんと10台。書類のコピーや本などがぎっしり詰まっている。
その後ろにはタクシーが止まっており、課員たちが乗っている。(呂蒙たちがつれてきた配下)
まずはマホガニーの机から。全員が声を合わせ、車から玄関に持っていく持っていく。
玄関にもって言っただけで「ふー」というため息が漏れる。
「はいもうちょっと!」
孫策がそう声を出すが、ぜんぜんもうちょっとじゃなかったりする。

荷物運び開始から2時間。ようやく村長室の中は片付き、机や本棚なども前の市長室同様に配置された。
「キーンコーンカーンコーン・・・♪」
「お、もう12時だ。昼食でも食べに行くか」
どっこいしょと孫策が腰を上げ、周瑜を誘う。
「私たちも行きますよー!」
後ろからみんなゾロゾロとついてきて、結局全員で行くことになってしまった。

「・・・しかし、さすが『村』だな。飲食店ひとつありゃしない」
孫策が車で村をぐるぐる巡察を兼ねて回ってたのだが、すでに3周目である。
「市長、違う市町村へ行ったほうがいいかと・・・」
おなかをすかせた陸遜が訴える。
「・・・仕方ない、東呉市でも行くか」
昔勤めていた市に行くというのは何となく気が引けるが、車を東呉の方へ走らせた。

昼食が終わり、再び荷物運び作業開始。今度は重役たちの書類などである。
こちらは軽いのですぐ終わるのだが、一番の問題は書庫の書類。
殆どは市民データのため向こう(東呉市)の書庫においてきたのだが、それでも書類は多い。
ここの書庫は向こうの書庫とは違い、16畳ぐらいしかない狭い部屋である(向こうの書庫に比べたら)。
「興覇・・・なぜにこんなに書類があるのだ」
すっかり疲れた呂蒙が甘寧に訴えかける。
「老人にこんな重労働をさせるとは何事じゃ!」
老人グループの二張が叫ぶ。
「ま、まぁ、仕方ないじゃないですか。この書類運びが終われば殆ど荷物運びも終わりですよ」
魯粛が説得するが、疲れ果てた面々には通用しない。
「仕方ない、疲れた奴らはロビーででも休んでろ」
あきれた孫策が疲れ果てた面々に言い渡す。
「・・・さて、もう少しですよ!」
珍しくひ弱な周瑜ががんばっている(失礼なっ By:周瑜)

午後5時、ようやく荷物運びが完了した。
「ふ〜っ」
その場に倒れこむ面々。何とか村役場の中もすっきりと片付き、電話やパソコンなどといった細かい作業も、
何とか終了した。
「早く帰って風呂に浸かって寝るか!」
孫策がそう言って車に向かうが、腰が痛くてなかなか立ち上がれない。
「ちょ、ちょっと公瑾、手引っ張ってくれないか?」
「えー、私だって腰が痛くて立ち上がれません〜」
二人して腰が痛いと嘆いている。このまま家へ帰れるのだろうか?
ロビーで休んでいた奴らは殆ど働かなかったため、一足先にさっさと帰ってしまった。
「腰いたぁ〜い!」

この先どのようにして村が発展してゆくのか・・・?楽しみである。
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